鳥人計画 東野圭吾

今回はジャンプ界を舞台とした「本格スポーツ・ミステリー（裏表紙より）」でした。

正直、ジャンプにはあまり興味が無かったので購入する時少し躊躇したのですが、この人の作品も一つも読んだことが無いので、例の「新潮社の100冊フェア」にあがっていることもあり、購入しました。

なので読み始めはあまり乗り気では無かったのですが、最初の一章を読んだ時点で、すっかり内容にはまってしまいました。

日本ジャンプ界期待のホープ楡井（にれい）とそれを指導するコーチ峰岸を中心として話は展開するのですが、楡井は天才ジャンパーで、峰岸は彼の出現により現役を引退し、彼のコーチとなることを決意したのですが、その時の

「世の中の全ての分野において、選ばれた人間という者がいる。楡井はまさにその人間なのだと思った。自分はそうではない―。」という心境の描写が印象的でした。

確かに世の中選ばれた人間というのはいてると思うし、自分はそうではないということも私も何度も思い知らされてきましたが、

そこで自分は終わったと思えば、何か負けたみたいな感じなので、自分はまだ終わってはいないと言い聞かせて何か掴むまで生きていきたいと思います。